皆さんは、会社でも家庭でも無い「第三の場所としてのコミュニティ」をお持ちでしょうか。スターバックスの初期コンセプト(サードプレイス)としても話題になりましたが、居住エリア・共通の趣味・テーマ特化した学びの場・プロジェクト参画型など、様々な切り口でのコミュニティーが存在しています。

私自身、好奇心旺盛な性格も起因して、会社は8社目、コミュニティーも累計30箇所出入りしてきました。自分の周り(都心で働く20代後半~40代の男女)を見渡しても「自分が所属するコミュニティー」を一つないし複数持っている人が増えている印象です。

最近では、Mistletoeの孫 泰蔵さんが「オフィスと社員はもう要らない」と述べているように、会社自体がコミュニティ化していくような流れが生まれています。オムスビもまさにコミュニティー型企業であり、オフィスやフルタイム社員はなく、全員がパラレルワーク参画で本業だけでは学べない経験を得ています。私自身は「会社とコミュニティの関連性」に関心があり、オムスビでは会社を軸にしたコミュニティづくりのお手伝いもさせていただいています。

累計30箇所コミュニティーを出入りしてきた自らの経験から、「人が集まる動機」や「継続する要素」などへの見解を言葉にしながら、コミュニティ型企業のカタチはどうあるべきかを模索していきたいと思います。

そもそもなぜ人はコミュニティーに集まるのか?

三つほど挙げてみましょう。

①好きなことを自由に話せる、相談できる

一つ目は「話したい事を思いっきり自由に話せる、相談できる」場という価値。会社のように利害関係や上下の人間関係気に忖度する必要はありません。また「積極的に時間やお金を使って来ている」人が多いので、共通の関心テーマで自然と話が盛り上がります。

普段なかなか言えない本音をそこで話したとしても、自分の日常生活に影響が少ないという心理的安心感もあるとも思います。

②自然体で話せる仲間と繋がれる

二つ目は、一つ目とも関連しますが、「人と繋がれる」という体験そのもの。人間は本能的に他者との繋がりを求める生き物だと思いますが、その中でも気をはらずに自然体で話せる仲間との繋がりを持ち続けられる事はとても貴重で、それを求めてコミュニティーに参加し続ける人は自分も含め多いと感じています。会社や家庭におけるペルソナ(役割)とは異なる「第三の部分の自分」と繋がってくれる人という感覚でしょうか。

③チャレンジングな実践が出来て自らの成長につながる

三つ目は、より学びやアウトプット志向を目的に据えたコミュニティーに当てはまると思いますが、参加することで「新しい知識や社会を見る視点の発見」「本業では難しいチャレンジングな実践が出来て自らの成長につながる」という価値です。特に20代後半−40代前半の世代で、経験領域では一定の専門性や実績を作ってきたが、今後5-10年を見据えた際に「新たな業界や市場・社会の切り口」に触れてみたい、自分を試してみたいという欲求は一定あると想います。

オムスビでも、仕事を通じて「SaaS型の課題解決サービス、採用型オウンドメディア」等最新の事業領域で価値を作って行く事や、自分と異なる専門分野のメンバーと協業しながら、自分自身の仕事のやり方を進化させていく事に価値を感じて働いている方が多い印象を受けます。

 

コミュニティーを形作るために必要な要素は?

個人的経験から述べると、いわゆる「人が集まり続ける、盛り上がっている」「連携が強い、一体感がある」コミュニティーが生まれるには、以下のいずれかまたは複数の要素が、立ち上げ段階で存在している印象を受けます。

①濃い共通体験がある

例えば、「文化祭を一緒にやったとか、重いプロジェクトと一緒に乗り越えたとか、毎年一緒に旅行しているとか」などの濃い時間を共に過ごすと、深い会話を重ねたり、感動を一緒に味わったうことも含め、その体験で培った見えない絆はとても強いものです。

コミュニティーに限らず、「会社の一体感を醸成する手法(会社行事・研修)」「家族旅行、家族会議」などにも当てはまります。

②理念、方針への共感

具体的な体験を入口にして徐々にコミュニティーの考えやスタイルに共感し好きになっていくパターンと、強烈な理念(映像や理念文章、スピーチ等を通じて)に最初から触れてコミュニティーに入るパターンの両方がありえますが、いずれの場合も組織の理念やスタイルに「好き・共感できる・自分にピッタリ」などの感覚を持って入っていくのではないでしょうか?

③強いリーダーやコンテンツが有る

上記二つと関連しますが、強いコミュニティーには強いリーダーがいることが多いように思います。一人のリーダーがシンボル的な存在として場を引っ張るケース(フェーズ)もあれば、

多数のメンバーが、主体的にリーダーシップを持って場の運営に関わる場合もあり、いずれも場の吸引力として人を集めています。当然ながら、強いコンテンツ(例)毎年1万人が集まるイベント)も人は集まります。

オムスビでは「それぞれが自然体でいられる場をつくる」というミッションを掲げていて、そのミッションに共感して関わっている方が多いです。またチャレンジングなテーマの仕事をみんなで知恵を出し合って達成していくことにより濃い共通体験ができ、普段は顔を合わせていなくても信頼関係ができているのだと思います。

 

コミュニティー企業が健全に持続する為の要素は?

いかがでしょう。価値観の近い仲間とつながり、好きなことを思い切り自由に話せる環境があり、自分のやりたい仕事を好きな時に好きな仲間と関わることができお金や経験の対価も得ることができる。働き手にとって、コミュニティーの良さを内包したコミュニティー型企業は理想のように感じます。

一方で、コミュニティー企業を経営する立場からみると、一般的な企業経営とは違う難しさがあるようです。趣味的なコミュニティー団体であればかかる経費はメンバーが負担することが多くメンバーが満足していれば問題ありません。一方で営利企業はクライアントに対して価値を提供して対価を得ながら活動しているため、外部に対して責任が発生しますし、経費もそれなりにかかります。

パラレルワークで関わる方々は、他にも別の仕事がありながら関わっているので、本業やプライベートの状態に左右されます。ひとつの会社で所属している人よりも、高いセルフマネジメントが求められます。オムスビでも1on1を通じてセルフマネジメントの支援を行い、個人の自由意志を尊重しています。

一方で外部に対して価値を提供する責任もあるので、リソースの確保や配分は経営として重要で、稼働時間が減ったときでも回る体制づくりをしなければなりません。オムスビでも常に理想と現実の葛藤をしながら、理想に向かっているように思います。趣味的なコミュニティー団体と営利的なコミュニティー企業は区別して関わった方がいいと思います。感覚的に言うと、コミュニティーいながらお金がもらえるのではなく、あくまで企業経営の一部がコミュニティの要素を取り入れていると思われた方が感覚的には近いかもしれません。

 

最後にコミュニティー企業が健全に持続する為には関わる人が意識した方がいいことを書きたいと思います。

①最低限、自分の仕事の責任を持つ。

無償のボランティアワークであれば、任された仕事が納期に間に合わなかったとしても、誰も咎められません。ただ1円でも対価が発生している以上、仕事は仕事です。納期に間に合わない場合は早めにマネジメントに相談しチームで解決することが重要です。

②セルフマネジメントとリレーションデザインを徹底する。

パラレルワークをされている方は、プライベートと本業、パラレルワークと絶妙なバランスの上で成り立たせていらっしゃると思います。どれかひとつに問題が起きると、すべてのパフォーマンスに影響がでます。

心身のコンディションが整っている状態を維持する為に重要なのは、、周囲の人間関係を良好にしておくことです。コミュニケーションコストのかかる方と仕事をすると、自分の問題ではないところでバランスが崩れる場合があります。またもし問題が起きたとしても助けてもらえる関係をつくっていくことは大切です。

③コミュニティー企業で働いている方が困っていたら、できる限り協力する。

コミュニティー企業ではたらく価値は、ひとりで複業をしなくていいことです。もし自分一人で受けてしまったら、自分に全責任がのしかかってしまいます。②で記載したように、絶妙なバランスで働いているので、ちょっとしたことで崩れる場合があります。

オムスビでも社員ヒアリングのアポイントが、急遽本業の仕事が入ってしまったため行けなくなったという問題が発生しました。おそらく一人で複業をしているのであれば、クライアントに謝罪しなければなりません。オムスビでは行けなくなってしまった方を咎めずに、他のパートナーに協力いただいてヒアリングすることをできました。

誰かが起きた問題を他人事として無視せず、明日は我が身の上として心得て協力する。もし自分に問題が起きた場合でもきっと助けてくれるはずです。

 

最後に

簡単ではありますが、コミュニティーの発生や継続において必要な要素を自分の経験から書き出してみました。今後個人的には「コミュニティーの良さを会社にどう取り込んでいくか?」というテーマを持って、自ら身を置く会社で色んな実験をしてみたいと考えています。

なぜなら「会社」「コミュニティー」両方の良さや課題を自分なりに沢山見てきて実感しているからです。このテーマに関心がある方はぜひ対話や実践をご一緒したく、お気軽に連絡をお待ちしております。

Posted by:森田 浩行

奈良県吉野野山奥育ち。東京大学文学部社会心理学科卒業。主に日常消費を扱うBtoCのITサービスにおいて、販売促進・マーケティング、営業推進・事業推進を経験。株式会社DeNA、株式会社リクルートなどを経て株式会社ラフール勤務。描いたビジョンをスピードを持って形にし、改良・進化して加えていくことにこだわる。オムスビでは情報整理・構造化担当として自社メディアやサービスの具現化に関わる。