なぜ「共創」しているのに前に進まないのか?

オープンイノベーション、アジャイル開発、デザイン思考など、最近プロジェクトを進める際に「共創手法」を意識して仕事をしている人は多いかと思います。

僕自身も、仕事でワークショップなどをやることが増えてきたように思います。付箋を使って、参加者のアイデアを集めて、まとめていく。毎週定例を入れながらアジャイルに開発していく。など。

でも何度もミーティングをやっても、プロジェクトがあまり前に進まないという経験はありませんか?

・ミーティングやるたびに、「やっぱりこうじゃないか」「こうした方がいい」とコンセプトなどがどんどん変わってしまい進まない

・ミーティングの参加者が変わって、新しい参加者の意見によって、話が振り出しに戻る

・ワークショップをやって、皆の意見をまとめたけど、結局どう進めるのか誰も決められない

 

プロジェクトが進まない原因は「独創をしていないこと」ではないか。

僕も仕事柄プロジェクトマネジメントの一環として、ミーティングやワークショップのファシリテーターを担うことが多かったのですが、共創しようとしてもプロジェクトが進まないことがありました。

オムスビの仕事として、採用支援をしていたときの話です。

僕自身、実は採用支援の仕事をやったこともなければ、本業自社採用にも携わったこともありませんでした。でも、代表の羽渕さんを始め、人事のスペシャリストがオムスビにはいたので、まずはファシリテーターとして、クライアントの課題を抽出し、解決策について一緒に考えて行けばいいだろうと考えていました。

しかし、いざミーティングをやってみると、クライアント自身が課題が何なのかもまだ見えていない状況。それらしいものをミーティング内で決めて動こうとしても、また別の担当者から「いや、こっちの課題の方が重要なのでは?」と意見がでて、進まない、ということが起きました。

そこで僕はオムスビの中のメンバーに聞いて助けてもらおうとしました。でも、そもそも僕も何を聞いたらいいのか理解できていなかったのです。羽渕さんから「まずは一度田中さん自身が独創してみたらどうか」とアドバイスをもらいました。

そこから自分で考え始めました。「そもそも採用のフローって何をやるんだろう」「採用をする上で一番最初に決めるべきことは何か」「クライアントの今の規模から考えて直面しやすい課題は何か」などネット上の情報や本を読み漁り、自分なりに仮説を作った上で、足りないピースをオムスビのメンバーに確認をしました。そして、次のミーティングまでに採用の全体像が把握できる「採用マップ」を作成しました。

すると次のMTGでは、その「採用マップ」をもとに、「この部分は既に検討しているか?」「この課題はもう少し後で手を付ければいいが、別のこちらについてはどうする予定か?」など具体的に質問できるようになりました。自分で独創して作成したたたき台があったことで、クライアントもオムスビメンバーも具体的に議論できるようになり前に進めることができたのです。

僕自身、これまでファシリテーターの役割は、参加者の意見をまとめ、プロジェクトを前に進めることだと考え、ミーティングで出たアイデアをまとめて、次のアジェンダを作り、次のミーティングまでに共有するということを優先してやっていました。事前にアイデアを考えたり、方向性を決めることはどこか他の人に任せていた部分がありました。でも、これがミーティングでプロジェクトが進まない原因だったのです。

 

独創してはじめて共創できる。

オムスビの仕事は、まだクライアントが答えを持っていない不確実性の高い段階から一緒に共創していきます。クライアントも答えを持っていないのですから、ヒアリングして答えを引き出そうとしてもうまくいきません。

まずは自分が当事者だったら、どう行動すべきかを考え抜いています。6割でもいいから自分でカタチにしてみます。どうしてもわからない箇所があった時点で、みんなに問うてアドバイスを頂くことで前に進めます。

クライアントもまた独創せずに僕たちに答えを求めることがあります。その場合は、僕たちも独創する前提で、クライアントにも独創してもらいます。

共創だからといって、その場で思いついたアイデアを出し合ってまとめるだけでは、人の意思や深い思考が入っておらず、次のミーティングでまた方向が変わったり、同じ議論を繰り返したりしてしまいます。その決定に誰もが責任を取らず、意思がない状態だからです。圧倒的にプロジェクトについて考えてきた人が複数人いるとき、本当の「共創」が実現するのです。

最近は僕もファシリテーションをする前に、「自分ならどうしたいか」「あの人はこう考えてくるんじゃないか」「ミーティング前に誰かにしっかり考えてきてもらう必要はないか」など一歩踏み込んで考え、準備するようになり、結果としてプロジェクトが進んでいくようになりました。

不確実性の高い時代だと言われる現代に、「共創」はとても大事です。でも、「共創」の前に一度立ち止まって自分でとことん「独創」してみることを試してみてはいかがでしょうか?

Posted by:KENSHIRO TANAKA

神奈川県逗子市在住。上智大学経済学部卒業後、株式会社リコーの半導体部門にて5年間海外営業及びプロジェクトマネジメントに従事。2015年より株式会社クラウドワークスにて地方創生・コミュニティ事業の立ち上げを行い、30以上の地方自治体と連携。アジャイル型のプロジェクトマネジメントスキルを活かし、2017年より複業メンバーとしてオムスビに参画。チームの触媒役「カタリスト」の肩書きで多くのプロジェクトマネジメントを担当。