会社で「電話やメールのマナー」は教えてくれても「チャットのマナーやコツ」を教えてくれることはほとんどありません。今後ますます増えるリモートワークにおいては、オンラインで気持ち良いコミュニケーションができる技は、新たなスキルになることでしょう。

ということで、前回は「チャットにも優しさのスパイスを加えよう」という記事で、関係性を良好に保つためのチャットの言葉づかいのコツを書いてみました。

今回は「雑談が最高のチームづくりのカギになる」というテーマです。

良いチームを作るチャットの正しい使い方として、「個別チャットによる雑談」をうまく組み合わせていくという方法をお伝えします。

 

グループチャットと個別チャットの使い分け

仕事の基本としては、チームメンバー全員が入っているグループチャットを使っていくべきです。情報が常に関係者全員にオープンに共有されることで、別途共有する時間を作る手間をなくしたり、チームとしてのミッションや目的を常に認識ズレなく持つことができたり、客先対応のミスなどのリスクを未然に防いだりすることができます。

ただしチャットコミュニケーションがうまい人ほど、グループチャットと個別チャットを上手に使い分けているようです。

では個別メッセージはどんなときに使うのが良いのでしょうか?

 

プライベートや内面的な会話は個別チャットがオススメ

「相手のプライベートや感情など内面に向かう事柄を扱うとき(=雑談)」には個別チャットがオススメです。言葉にすると「当たり前」と思うかもしれませんが、普段の対面の会話では当たり前にできることも、効率重視で顔を合わせなくて良いチャットコミュニケーションにおいては実行できなくなります。

一方「相手のプライベートや感情など内面に向かう事柄(=雑談)」を全体チャットで会話してしまうと愚痴が増幅したり、お互いに配慮しすぎて心理的安全なコミュニケーションができなくなったりします。そこで個別チャットを使っていきます。

 

ここから具体的に、上司→部下、部下→上司、同僚間の3パターンの相手別に上手いメッセージの例を紹介します。

<相手別個別チャット術>

▼上司→部下

「最近どう?業務負荷かかりすぎてない?」

「出張続いてるけど、体調崩してない?」

「副業ってどんな感じのことやってるの?よかったら今度教えてー」

「こんなテントが売ってたよ。この間欲しいと言っていたものに近くない?」

部下が「心身ともに健康な状態」で働いているのかを把握し、小さな変化に気づくことは上司の重要な役割です。部下から自分の体調や気持ちの変化を伝えることは難しい事も多いので、日常の気軽な会話を通じて部下の状態を確認しフォローすることがポイントになります。そんな時に上記例のように個別チャットを活用したさりげない会話はオススメです。

▼部下→上司

「子供の夜泣きがひどくて、最近寝れていなく、日中少しきついです・・」

「最近仕事のことでモヤモヤしており、少し相談乗っていただいたもよろしいでしょうか?」

「後輩の〇〇さんの士気が下がっているように感じます。少し一緒に今後お願いする業務などについて考えていただけると嬉しいです」

「将来のキャリアを考えてプロジェクトマネジメントのスキルをもっと上げていきたいと思っており、長期プロジェクトを担当してみたいです」

 

部下にとって、自分の感情やプライベートの事情を上司に伝えるのは勇気がいることです。でも、できる限りオープンに共有することが上司に自分の事情を理解してもらう一歩に繋がり、理解してもらえているという安心感の中で気持よく仕事ができます。いきなりチャットで伝えるのが難しい場合は「1on1」(1対1のミーティング)の機会を作ってもらい直接会話で伝えると良いでしょう。

▼同僚間

「上司がなかなか自分の考え方を理解してくれず苦しい~~」

「仕事でモヤモヤしすぎているので、今度飲みにいきましょう」

「最近調子どうですか?さっき顔疲れてましたよ(笑)」

「色々立て続けに依頼してしまい申し訳ありません・・・!無理させていることがあれば教えてください!」

 

同僚とさくっと飲みに行くことで自分の愚痴やモヤモヤを共有できスッキリしますが、子育て等生活時間の多様化やリモートワークなど働き方の多様化によって同僚と飲みに行く機会自体も減ってきています。だからこそ個人チャットで一言お互いを気にかけることで良い関係が築くことはとても気丈です。同僚にかぎらず、クライアントや依頼先の相手に対する配慮を伝えたいときにも個人チャットは使えますね。

 

3つのパターンを見てきましたが、共通していることは「お互いの内面も含めてよく理解していると気持ちよく仕事ができる」ということです。個別チャットを使った雑談は、効率面のみで考えると一見無駄な会話に見えますが、実は強いチームを作るためには重要な会話なのです。他にも「メンバーに注意や指導をするとき」「チームの心理的安全性が低いとき」に個人チャットは使えます。

リモートワークや在宅勤務が当たり前の世の中になってくると、チャットでのコミュニケーションがメインになることは間違いないでしょう。「チャットは効率重視で、全体チャットで要件のみ簡潔に!」という意識になりがちですが、個人チャットやオフライン(対面)での雑談をうまく組み合わせることで、最高のチームを作りましょう。

(Rebornチーム カタリスト Kenshiro Tanaka)

Posted by:KENSHIRO TANAKA

神奈川県逗子市在住。上智大学経済学部卒業後、株式会社リコーの半導体部門にて5年間海外営業及びプロジェクトマネジメントに従事。2015年より株式会社クラウドワークスにて地方創生・コミュニティ事業の立ち上げを行い、30以上の地方自治体と連携。アジャイル型のプロジェクトマネジメントスキルを活かし、2017年より複業メンバーとしてオムスビに参画。チームの触媒役「カタリスト」の肩書きで多くのプロジェクトマネジメントを担当。